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"日本で「リンゴと言えば何を連想しますか?」と聞いたら「青森」「長野」「赤い」とかだと思いますが(例えばこちらご参照)、 欧米では恐らくかなりのパーセンテージで、「創世記で、神の言いつけに背いて食べてし..."

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日本で「リンゴと言えば何を連想しますか?」と聞いたら「青森」「長野」「赤い」とかだと思いますが(例えばこちらご参照)、

欧米では恐らくかなりのパーセンテージで、「創世記で、神の言いつけに背いて食べてしまい、エデンの園を追い出された原因になってしまった、あの善悪の知識の木の実」を連想するのではないかと思います。

つまり、「かじられたリンゴの実」というのは、「犯してしまった禁断」または「手に入れてしまった知性」を表すはずですね。
(中略)
ところが、Wikipediaを見てみてびっくり。

日本語版のロゴの説明では、

Apple が創業されたときのロゴマークは、ニュートンがリンゴの木に寄りかかって本を読んでいるところをモチーフにした絵(ロン・ウェインのデザイン)であった。
しかしこれでは堅苦しいと考えたスティーブ・ジョブズは、レジス・マッケンナ社のアートディレクターロブ・ヤノフに新しいロゴマークのデザインを依頼する。
ヤノフは、シンプルな林檎の図案の右側に一かじりを加えた。「一かじり」を意味する “a bite” とコンピュータの情報単位の “byte” をかけたのだという。

とあり、「ニュートン」とか「byte」とかは出て来るけど、アダムやイヴが一言も出てきません。まったく触れていないのが、かえって怪しくないですか?
(中略)
のロゴをデザインしたRob Janoff氏についての情報もネット上にはほとんど何も無いのですが、英語版のWikipediaによると、その他の説として、

It has also been suggested (notably by Sadie Plant in her book Zeroes and Ones) that the idea for the Apple logo may have come from the story of the death of Alan Turing who was found dead after he had taken a bite of an apple laced with cyanide.
Another theory is that the missing bite is a reference to the Fall of Man, representing the acquisition of knowledge.

アラン・チューリング(数学者)が青酸化合物のついた?リンゴを一齧りして死んだ、ということに基づく、という説も紹介されてます。
また、アダムとイブの話も出てきますね。

 

ところが、

These theories are however all discounted by Rob himself, who says the stripes were included in line with design trends at the time, and the bite was included so that people didn’t mistake the apple for a tomato or some other fruit.

と、これらの説はデザイナー自身によってdiscountされたとありまして、「cherry」ではなく「tomatoなど他のフルーツと間違えないように歯形を付けた」とあります。
(中略)
しかし。

やはり、「なぜ歯形を付ければcherryやtomatoと間違えないか」というと、「齧られた果物」といえば「(アダムとイブの)リンゴ」だから、ということが前提にあるからですよね?

つまり、(特に欧米で)アダムとイブの話を聞いた事が無い人がいるとも思えないので、なぜWikipediaに記載されていないかというと「あまりに当たり前だから」説が有力なんではないかと思います。



- isologue - by 磯崎哲也事務所: イコノグラフィー的に見るアップルのロゴマーク (via atorioum)

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